電解水とは、水を電気分解して生成した水のことです。
電気分解することによって、本来持っていない特殊な機能を水に持たせることができ、様々な用途や分野で使用されています。
水の電気分解の原理
中学校の理科で、水を電気分解し水素と酸素に分ける実験をした記憶があるのではないでしょうか。その際の化学式は、

となり、文字通り電気によって水が水素と酸素に分解されるのですが、一方で電気的には次のような反応が起こっています。


水(H2O)の入った槽を特殊な隔膜(分子を通さず、特定のイオンだけを通す膜)で二つに分け、一方に陽極と他方に陰極の電極を入れ電流を流します。すると、陽極では酸化反応が起こり酸素が生成されると同時に水素イオン(H+)が発生します。一方、陰極では還元反応が起こり、水素が生成されると同時に水酸化物イオン(OH-)が発生します。
その結果、陽極にはH+の多い酸性の電解水、陰極にはOH-の多いアルカリ性の電解水が生成されます。
pHについて
pH(ピーエッチ、ペーハー)とは水素イオン濃度指数(power of hydrogen)のことで、物質の酸性・アルカリ性の度合を示す値です。
水は大部分が非常に安定したH2Oという分子の形で存在していますが、ごく一部は水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)というイオンの形で存在しています。
この2つのイオンのバランスがpHを決める要素です。

このようにH+とOH-の量が同じであれば中性。普通の水道水はこの状態です。

H+がOH-より多ければ酸性、OH-の方が多ければアルカリ性となります。電気分解した後の水の状態です。
しかし、実際には上の図のように単純ではなく、水分子に対してイオンはごく微量なので、2つのイオンのバランスをわかりやすく数値化するために、pHという指数が用いられているのです。
身の周りの「pH」

pH7が中性で、pH7より下は酸性、pH7より上はアルカリ性です。
一般的に、酸性は「酸っぱい」もの、アルカリ性は「苦い」ものが多いです。
酸性はアルカリ性を、アルカリ性は酸性を分解する作用があることから、汚れの種類によって酸性洗剤とアルカリ性洗剤を使い分けることが一般的です。
すなわち、酸性の汚れ(油汚れや手垢など)にはアルカリ性洗剤を、逆にアルカリ性の汚れ(トイレの尿石や水アカなど)には酸性洗剤を使うと、より効果的に汚れを落とすことができます。
※中性洗剤はpHに依らず、界面活性剤の作用のみで汚れを落とします。
台所用・洗濯用・住居用の洗剤は、「液性」という欄に、pHによって次のように表示することが、家庭用品品質表示法で決められています。

一般の合成洗剤は界面活性剤や化学薬品を添加することによって、pHを調整したり洗浄力や除菌力を持たせていますが、電解水は電気分解だけでpHを調整しているので薬品等は一切含まれておりません。
電解水の種類
ひとことに電解水と言っても、pHや性質によって種類や用途も様々です。 pHの低いものから順に簡単に紹介させていただきます。
①強酸性電解水
pH2.2~2.7の強い酸性を示し、有効塩素濃度が20~60ppmである除菌効果が高い水です。厚労省の認可もあり、医療分野では器具の消毒などにも使われています。欠点として、塩素臭が強いこと、劣化しやすいので高額な生成機を導入し生成直後の水を使用する必要があります。
②弱酸性電解水
pH2.7~5の弱酸性は肌に優しいので手の消毒に使用されたり、アストリンゼント(肌の引き締め)効果があるので化粧水としても使用されています。①と同じく塩素臭が強く劣化しやすいので生成機の導入が必要になります。
③微酸性電解水
pH5~6.5の微酸性にすることによって強い除菌力を半年以上維持することができます。塩素臭は弱く肌にも優しいので、手の消毒から食品まで幅広く使用されています。厚労省の認可も受けており、菌だけでなくカビやウィルスにも高い効果があります。有効塩素濃度は10~80ppmですが、当社の「除菌に・この水」は上限を50ppmとしています。
④アルカリイオン水
pH8~11の水で主に飲用を目的とした水です。抗酸化作用により胃腸に良い効果があり、近年では電気分解によって発生した「水素」が健康に良いと注目されています。多くの家庭で生成機が利用されており、飲料水としても販売されています。また調理用として炊飯や煮炊き物に使うと素材の成分をより多く抽出し料理が美味しくなると言われています。
⑤アルカリ電解水
pH11以上の強いアルカリ性を示し洗浄力が高い水です。特に油脂汚れに対する効果が高く、汚れに深く浸透し、剥離、乳化させる作用が働きます。合成洗剤や薬品に替わる洗浄水として、一般家庭から飲食店内の清掃、工業用洗浄水等、幅広く使用されています。pH12~12.5の製品が一般的ですが、当社の「そのとき・その水」はpH13.1のアルカリ電解水です。
電解水は近年、人と環境に優しい機能水、また次世代の水として非常に注目されており、今後もさらに利用分野が広がることが予想され、大きな可能性を秘めた水です。
当社では特に洗浄や除菌に有効・有用な③微酸性電解水と⑤アルカリ電解水を製造販売しております。